Webスクレイピングとアンチボットの現状 2026
上位1〜1,000万サイトをスキャンし、オープンなWebがどのように身を守っているかを明らかにしました。53.5%がアンチボットの壁を備え、9.33%がAIクローラーをブロックし、14.1%は死んでいます。
毎年、新しいレポートが「いまやWebトラフィックの大半はボットだ」と教えてくれます。その数字は事実ですが、それは関係の一方の側面を説明しているにすぎません。私たちが知りたかったのはもう一方の側面です。トラフィックのうちどれだけが自動化されているかではなく、Web自体のうちどれだけが自動化されたクライアントを締め出すように作られているか、です。
そこで私たちは2026年6月に、母集団規模のスキャンを3つ実施しました — アンチボット導入指数、AIクローラーブロック指数、そして死んだWeb指数 です — 上位1〜1,000万サイトを対象にしています。あわせて読むと、それらは機械が読み取るのが目に見えて難しくなりつつあるWebの姿を描き出します。以下が3つの発見です。完全なレポートにはチャート、方法論、そしてオープンデータが揃っています。
1. Webは壁を築きつつある
Tranco上位1Mの998,497サイトのうち818,614サイトが到達可能で、そのうち53.5%が管理型のアンチボットまたはWAFの壁を備えています。 Cloudflare単独で到達可能なWebの約45%、そして**保護されているすべてのサイトの84%**を占めます。
直感に反するのは、その勾配です。最も人気のあるサイトは、汎用的な壁を備えている可能性が最も低いのです — 上位1,000は44%、ロングテールは54%です。巨大サイトが無防備なわけではありません。代わりにオーダーメイドのエンタープライズ向けボット管理(DataDome、Akamai、PerimeterX)を運用しており、これは先頭の約7.6%から末尾の0.6%へと薄れていきます。汎用的なCloudflareの導入率はその逆方向に上がっていきます。
| トラフィック順位 | 管理型の壁を運用 | Cloudflare | エンタープライズ向けボット管理 |
|---|---|---|---|
| 上位1K | 44.2% | 23.4% | 7.58% |
| 1K–10K | 50.7% | 34.0% | 5.29% |
| 10K–100K | 52.3% | 40.2% | 2.55% |
| 100K–1M | 53.6% | 45.6% | 0.60% |
さらに広げると、その開きはいっそう大きくなります。英語圏のWebが最も壁で囲われており(.us 89%)、東アジアのWebが最も開かれています(.kr 11%) — 8倍の幅があります。
2. AIクローラーは選択的にゲートされている
出版社がAIをブロックしているという見出しにもかかわらず、robots.txtで主要なAIクローラーを1つでも完全にブロックしているのは上位1Mのわずか9.33%です(robots.txtをそもそも公開しているサイトの14.8%)。そしてそのブロックは意図的です。サイトはモデルを学習させるクローラーを、読者を送り返すエージェントよりもはるかに強く締め出しています。
OpenAIのGPTBotが7.4%で先頭ですが、Common CrawlのCCBot — ほとんどのモデルが間接的に学習に使うオープンコーパス — はほぼ同率の7.23%です。参照トラフィックをもたらすAI検索やアシスタント系のエージェントは、ほとんどブロックされていません。
| AIクローラー | 目的 | 完全にブロックしているサイト |
|---|---|---|
| GPTBot (OpenAI) | 学習 | 7.40% |
| CCBot (Common Crawl) | 学習 | 7.23% |
| Bytespider (ByteDance) | 学習 | 6.77% |
| ClaudeBot (Anthropic) | 学習 | 6.69% |
| Google-Extended | 学習 | 6.28% |
| ChatGPT-User (OpenAI) | AIアシスタント | 1.59% |
| PerplexityBot | AI検索 | 1.29% |
アンチボットの壁とは異なり、AIブロックは先頭に集中しています — 最も忙しく、最もコンテンツの多いサイトです — そしてニュース・メディアが主導しており、およそ81%がブロックしています。
3. 死んだWebは過大評価されている
Webの4分の1は失われた、という統計をおそらく目にしたことがあるでしょう。私たちは最も人気のある1,000万ドメインすべてを調べ(9.99Mに到達、カバー率99.95%)、本当に死んでいるのは14.1% — いつもの数字のおよそ半分という結果を得ました。
その差は手法にあります。素朴なクローラーは403、429、あるいは返された404を死とみなしますが、それらのサイトは生きていて単にボットをブロックしているか(8.9%は応答するがブロックする)、設定が誤っているだけです。本当の死とはDNSです。死んだドメインの76%はもはやまったく名前解決されません。そしてそれはテール現象です — 死んだドメインの99.8%は順位100,000より下に位置するため、トラフィックで重み付けすると死んだWebは3%に近くなります。
| 結果 | 割合 | 意味 |
|---|---|---|
| 生存 | 76.6% | 利用可能なコンテンツを返す |
| 死亡 | 14.1% | DNSが消えたかサーバーがない(76%はもはや名前解決されない) |
| ブロック | 8.9% | 応答するがボットをブロックする(403 / 429) |
| リダイレクト | 0.3% | 元のドメインの外へリダイレクトする |
これが意味すること
オープンなWebは死につつあるのではありません。防御を専門化し、AIを選択的にゲートし、そしてテールで朽ちつつあるのです。公開Web上のデータの上に何かを構築するすべての人にとって、実践的な教訓は3つのスキャンすべてが指し示すものと同じです。信頼できる収集はいまや、単にページを取得することではなく、壁を扱うことにかかっています — なぜなら、いまやWebの半分以上がその背後にあるからです。
完全なレポートにはすべてのチャートと方法論があり、3つのデータセットはすべてアンチボット、AIクローラー、死んだWebの各指数を通じてCC BY 4.0の下でオープンに公開されています。
よくある質問
2026年、Webのどれくらいがアンチボット保護を運用していますか?
2026年6月に実施されたTranco上位100万サイトの独立スキャン(998,497サイトをスキャン、818,614サイトが到達可能)では、到達可能なサイトの53.5%が管理型のアンチボットまたはWAFの壁を運用しており、Cloudflare単独で保護されているすべてのサイトの約84%を占めます。保護率はランキングを下るほど上がります。上位1,000は44%であるのに対し、100K〜1Mの帯域は54%です。これは最大手のサイトが汎用的な壁の代わりにエンタープライズ向けボット管理を用いているためです。
WebサイトはどのAIクローラーを最も多くブロックしていますか?
GPTBot(OpenAI)が上位1Mサイトの7.4%で単独最多のブロック対象であり、Common CrawlのCCBotが7.23%でほぼ同率です。全体では、主要なAIクローラーを1つ以上ブロックしているのはわずか9.33%のサイトにすぎません。学習系のクローラーは、参照トラフィックを送り返すAI検索・アシスタント系のエージェント(PerplexityBot、ChatGPT-User、OAI-SearchBot)よりもおよそ5倍多くブロックされています。
Webのどれくらいが実際に死んでいますか?
上位1,000万ドメインのうち14.1%が本当に死んでおり、素朴なクロールでよく引用される27.6%を大きく下回ります。その差は手法にあります。403、429、あるいは返された404は、死んでいるのではなく生きているがブロックしている(8.9%は応答するがボットをブロックする)か、設定が誤っているだけです。本当の死は圧倒的にDNSの失敗であり、死んだドメインの76%はもはやまったく名前解決されません。
これはImperva、HUMAN、Cloudflareのボットレポートとどう違うのですか?
それらのレポートはボットトラフィックの量、つまりボット由来のリクエストの割合(全トラフィックの約53%)を測定しています。本レポートは帳簿の反対側を測定します。すなわち、上位1〜1,000万ドメインにわたって、サイトごとのWebの防御姿勢と到達可能性です。どれだけのトラフィックが自動化されているかではなく、Webのどれだけが壁で囲われ、AIにゲートされ、あるいは消えたのかに答えます。
