Tony Wang11 分で読めます神社、寺院、ラーメン屋——日本のGoogleマップが「ビジネス」と呼ぶもの
日本のGoogleマップ上位10カテゴリのうち6つは実は「ビジネス」ではない——神社、寺院、公園、集合住宅がその正体。
米国でGoogleマップの上位50カテゴリを見ると、銀行、保険代理店、ピザ店、歯科医院といった商業的な風景が広がる。ところが同じクエリをCrawloraのGoogleマップデータセットでcountry=Japanに絞って実行すると、まったく違う光景が現れる。**日本の上位10カテゴリのうち6つは、そもそもビジネスではない。**神社、寺院、史跡、公園、集合住宅、コミュニティセンター——それらは商いの場ではなく、場所そのものだ。
これはデータの誤りではない。日本でGoogleマップが実際にインデックスしているものがそうなっているのだ。神社や寺院は営業時間・評価・レビューを持つ地域のランドマークとして、隣のラーメン屋とまったく同じ扱いを受けている。実際の数字を確認したところ、「いくつか寺院が混ざっている」程度では済まない規模で、この傾向は「トップカテゴリ」という言葉の意味そのものを変えてしまうほどだった。
上位10カテゴリの正体
商業的だとはっきりわかるのは美容院、建設会社、居酒屋、企業のオフィスだけ。残りの6つは「訪れる場所」「住む場所」「通り過ぎる場所」であって、「利用しに行くビジネス」ではない。上位50まで範囲を広げても同じ傾向がスケールする——**日本の上位50カテゴリに含まれる1,941,910件のうち778,858件(40.1%)が非商業的な「場所」**であり、営業中のビジネスではない。
聖なる場所が飲食店を上回る
規模感がよくわかる比較がある。上位50の中で神社・寺院・史跡・公園をすべて足し合わせると、304,794件。同じ上位50の中でレストラン・カフェ・バー・居酒屋をすべて足し合わせると、250,370件。日本のGoogleマップデータでは、最も多くマッピングされているカテゴリ群の中で、神社仏閣・景勝地が飲食店の合計を上回っている:
これは「日本には現実にレストランより神社仏閣の方が多い」という主張ではない。Googleマップが独立した評価対象の場所として何をインデックスするかについての話だ。神社や寺院は、ピン・営業時間・星評価・レビュー数を持つ点で、ビジネスとまったく同じ扱いを受けている。この「公共のランドマークをリスティングとして扱う」パターンは、同じデータセットの米国版・英国版のカットに比べて日本のデータでは際立って顕著であり、それらの国では上位カテゴリのほぼすべてが商業施設である。
神社・寺院の件数は、現実の数字と突き合わせて検証できる。神社本庁は2022年時点で全国の登録神社数を約81,248社と報告しており、文化庁は2021年の仏教寺院数を約77,256寺としている。Crawloraのデータセットは、宗教登録データを一切使わずGoogleマップのクロールのみから独立に、神社73,704件・寺院69,651件をカウントしている——**それぞれの公式数値のおよそ90%**をカバーする計算だ。これは日本の宗教地理についての小ネタというより、元となるデータセットの網羅性の高さを示す強いシグナルと言える。
Google自身のカテゴリ分類の綻び
上位10のグラフをよく見ると、4つのラベルが別の理由で目を引く:shinto_shrine、buddhist_temple、そして上位50のさらに下位にあるplace_of_worshipとatmは、生の英語・snake_caseトークンであり、日本語ラベルではない。美容院から建設請負業者に至るまで、日本の上位50に含まれる他のすべてのカテゴリは適切にローカライズされた日本語表記を持っている。この4つだけはそうなっていない——合計216,614件のリスティングが、日本語向けにローカライズされていないGoogle Places APIの内部タイプコードのような値をカテゴリとして抱えている。
これはCrawlora側の抽出バグではなく、Google側のデータ品質上の欠陥だ。とはいえ、Googleマップのカテゴリデータをまたぐ多言語プロダクトを作る人にとっては本物の落とし穴になる。英語のカテゴリ名に対して「宗教・観光関連のキーワードを含むか」という素朴なフィルタを組んでも、日本語データセットの中の神社・寺院はすべて見逃されてしまう——ATMとまったく同じ生のトークンが付いているからだ。カテゴリを国をまたいで正規化しようとする人は、この種の漏れを明示的にチェックする必要がある。カテゴリ分類がどの市場でも一様にローカライズされていると思い込んではいけない——実際はそうではない。
50カテゴリすべてを表示
| カテゴリ | 件数 | 種別 |
|---|---|---|
| 美容院 | 97,090 | ビジネス |
| 史跡 | 83,649 | 場所 |
| 公園 | 77,790 | 場所 |
| shinto_shrine(未翻訳) | 73,704 | 場所 |
| buddhist_temple(未翻訳) | 69,651 | 場所 |
| 建設会社 | 69,159 | ビジネス |
| 集合住宅 | 68,175 | 場所 |
| 居酒屋 | 61,276 | ビジネス |
| コミュニティ・センター | 59,970 | 場所 |
| 企業のオフィス | 55,132 | ビジネス |
| atm(未翻訳) | 50,739 | 場所 |
| 駐車場 | 49,423 | 場所 |
| 歯科医院 | 48,806 | ビジネス |
| 理容店 | 45,775 | ビジネス |
| カフェ・喫茶 | 45,364 | ビジネス |
| バス停 | 42,290 | 場所 |
| バー | 39,941 | ビジネス |
| コンビニエンスストア | 39,637 | ビジネス |
| エステティック・サロン | 36,944 | ビジネス |
| 調剤薬局 | 35,478 | ビジネス |
| 保育園 | 34,872 | ビジネス |
| 公衆トイレ | 34,845 | 場所 |
| クリニック・医院・診療所 | 34,623 | ビジネス |
| スーパーマーケット | 32,142 | ビジネス |
| 介護施設 | 30,989 | ビジネス |
| 不動産仲介業 | 30,660 | ビジネス |
| 製造元 | 30,646 | ビジネス |
| ラーメン屋 | 30,169 | ビジネス |
| レストラン | 30,050 | ビジネス |
| 衣料品店 | 28,876 | ビジネス |
| 電気自動車充電スタンド | 27,948 | 場所 |
| 観光名所 | 27,289 | 場所 |
| 電気工 | 27,059 | ビジネス |
| 自動車販売店 | 26,686 | ビジネス |
| ロジスティクスサービス | 26,400 | ビジネス |
| 税理士 | 25,711 | ビジネス |
| 倉庫 | 25,230 | ビジネス |
| クリーニング店 | 24,987 | ビジネス |
| 協会・組織 | 24,975 | 場所 |
| コーヒーショップ・喫茶店 | 23,209 | ビジネス |
| 廃棄物リサイクル業 | 22,722 | ビジネス |
| place_of_worship(未翻訳) | 22,520 | 場所 |
| 市役所・区役所 | 22,395 | 場所 |
| 郵便局 | 22,266 | 場所 |
| 指圧・マッサージ | 21,564 | ビジネス |
| 月極駐車場 | 21,229 | 場所 |
| (未分類) | 20,843 | 不明 |
| 建設請負業者 | 20,715 | ビジネス |
| 中華料理店 | 20,361 | ビジネス |
| レンタカー | 19,936 | ビジネス |
Googleマップデータをスクレイピング・フィルタする人への示唆
リード生成リスト、競合マップ、ローカルSEOツールなど、Googleマップのカテゴリデータを使って何かを作る場合、それが国をまたぐなら「上位カテゴリ=上位ビジネス」と思い込んではいけない——少なくとも自分で確認していない市場では。このデータから2つの実践的なフィルタリングのルールが導ける。
「場所」を除外する。すでに知っているPOIだけでなく。 通常のPOI除外リスト(バス停、ATM、公園)に、日本向けの追加項目が必要になる——神社、寺院、史跡、集合住宅、コミュニティセンターはいずれも件数ベースでトップ10に入っており、これらを除外しないと「最も多いビジネス種別」ランキングが大きく歪む。Crawlora自身の/local-business-indexとレビュー深度調査は、いずれもこのフィルタリングをカテゴリのランキング前に適用している——本稿はあえてそれを行わず、フィルタなしの姿を示した。
カテゴリ名だけで言語をまたいでフィルタしない。 英語のカテゴリ文字列に対して組んだキーワードフィルタは、日本のデータセットに紛れ込んだ未翻訳トークンを見逃してしまう(他の非英語市場でも同様のことが起こり得る)——カテゴリフィールドがすべての市場で一様にローカライズされていると仮定せず、生の英語・snake_caseの漏れを明示的にチェックすること。
このフィルタリングをすでに組み込んだ状態で使いたい場合は、CrawloraのGoogleマップ APIが本稿と同じcategoryファセットを完全一致で絞り込み可能な形で公開しているので、静的なスナップショットではなくライブデータに対して自分の除外・許可リストを構築できる。
手法とデータについて
本稿のすべての数値は、Crawloraのgoogle-map-businessesデータセットに対するライブなファセット集計(facet=category)から得られたもので、country=Japanで絞り込み、2026年7月20日に取得した、件数上位50カテゴリを対象としている。「ビジネス」対「場所」の分類は各カテゴリの実態を人手で判断したものであり(データセット上のフィールドではなく、判断による分類)、両者の境界があいまいなカテゴリ(保育園、介護施設、郵便局など)は、その場所が主に商業サービスなのか(ビジネス)、公共・行政的な施設なのか(場所)で分類した。カテゴリ値を持たない完全な未分類バケット(20,843件)は別枠で示し、両方の合計から除外している。神社・寺院の件数は、下記に引用した文化庁および神社本庁が公表する2021〜2022年の数値と突き合わせている——これらは第三者の公表数値であり、Crawloraが独自に検証したものではなく、約90%というカバー率の比較は厳密な一致確認ではなく方向性を示すものである。
これはある時点でのクロールスナップショットであり、日本の宗教施設・公共施設の権威ある登録簿ではない。集計値のみを公開しており、本稿ではこのデータセットの個別のビジネス・場所レコードは一切公開していない。
日本のGoogleマップカテゴリデータを直接クエリする
全カテゴリを横断する490万件以上の日本のリスティング——カテゴリ値、都道府県、評価、ウェブサイトの有無で絞り込み可能。1つのREST APIで。
よくある質問
日本のGoogleマップには神社や寺院がビジネスとして登録されているのか?
はい。Crawloraのデータセットでは、神社73,704件・仏教寺院69,651件がそれぞれ別カテゴリとして登録されている——史跡・公園と合わせたこれら4つの「場所」カテゴリ(合計304,794件)は、日本の上位50カテゴリの中でレストラン・カフェ・バー・居酒屋の合計(250,370件)を上回る。
なぜ日本のGoogleマップの一部カテゴリは日本語ではなく英語のままなのか?
日本の上位50カテゴリのうち4つ——shinto_shrine、buddhist_temple、place_of_worship、atm——は、日本語にローカライズされないまま残った生の英語・snake_caseのGoogle Places APIトークンで、合計216,614件に及ぶ。他のすべての上位50カテゴリには適切な日本語ラベルが付いている。これはCrawlora側の抽出の問題ではなく、Google自身のカテゴリ分類の欠陥だ。
日本のGoogleマップ登録のうち非商業的な場所は何%か?
日本の上位50カテゴリ(合計1,941,910件)のうち40.1%(778,858件)が、神社・寺院・史跡・公園・集合住宅・バス停・ATM・官公庁といった非商業的な場所であり、営業中のビジネスではない。
日本のGoogleマップで実際に最も多いビジネスカテゴリは何か?
非商業的な場所を除くと、日本で最も多いビジネスカテゴリは美容院(97,090件)、建設会社(69,159件)、居酒屋(61,276件)、企業のオフィス(55,132件)、歯科医院(48,806件)。